2024年7月22日
1.脱水と心臓病のリスク
①低血圧
脱水による低血圧は、血液量が減少し、心臓が必要な血液を体全体に送り出すのが困難になるためです。症状としては、めまい、立ちくらみ、意識不明、冷や汗、息切れなどがあります。
②血栓症
血栓症は血液が固まり、血管を塞ぐ状態を指します。この血栓が心臓や脳の血管に飛び血管の血流を妨げると、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な状態を引き起こす可能性があります。脱水は血液が濃縮し、血液が固まりやすくなるため、血栓症のリスクが増加します。
③狭心症
狭心症は、心臓の筋肉(心筋)への血液供給が不十分になると発生する病気です。脱水により血液量が減少すると、心筋への血液供給が悪化し、狭心症の発症や症状の悪化を引き起こす可能性があります。狭心症は胸痛や胸の違和感、息切れなどの症状を引き起こします。これらの症状が現れた場合はすぐに医療機関への受診が必要です。
脱水予防と適切な食事と運動の重要性
心臓病の管理と予防において重要なのは、脱水を防ぎつつ適切な運動を維持することです。ここでは、そのための具体的なアドバイスをいくつかご紹介します。
①1日3食摂る
1日3食しっかり摂ることで約1000mlの水分を補給することができます。食事にはナトリウムを中心としたミネラルも含まれるため、食欲が減る夏場にも3食しっかりと食事を摂ることが大切です。薬味や香味野菜などを取り入れながら食欲アップしていけると良いと思います。
②定期的な水分補給
1日に必要な水分は約2500mlと言われています。そのため1日当たり、1000~1500mlの水を飲むことが推奨されています。ただし、一度に大量に水分を摂ることは心臓への大きな負担となります。水分補給は、起床後、運動や入浴前などを中心にこまめに行えると効果的です。また、コーヒーなどカフェインを多く含むものやアルコールには、利尿作用があるため、飲み過ぎに注意してください。
③適切な運動
適切な運動が心臓の健康を維持する上で重要です。しかし、脱水を気にしすぎて運動量を減らすことは逆効果です。運動は、血管や心臓の機能を高める効果があります。
適切な運動に関しては、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によると、高齢者では、1日6000歩程度の歩行(それに相当する身体活動)に加え、週2,3回の筋力トレーニングを行うとのことです。また、日本人は座り過ぎとも言われており、座っている時間を少なくすることも、最近は推奨されています。
とはいってもこの暑い夏にそんなに動けないという方も多いと思います。まずは、テレビCMの時は立って足踏みをする、いつもより10分多く掃除などの家事をするなどの活動はいかがでしょうか。さらに、時間がある時には、ショッピングモールでゆっくりウィンドウショッピングをするなどもオススメです。